先ずは、第87回早慶レガッタ開催にあたり御尽力下さった関係者の皆様に、この場をお借りして御礼を申し上げます。
昨年の早慶レガッタでは、桜橋まで残り僅かのところで悔しくも力及ばず、辛酸を嘗めました。今年の女子部は幸い人数にも多く恵まれ、1ヵ月に亘る熾烈なシートレースを経て出場メンバーが決定し、昨年の悔しい雪辱を味わいリベンジに燃える上級生7人と、飛ぶ鳥を落とす勢いで上達を遂げる1年生2人の9人が出場メンバーとなりました。
今年こそは何としてでも早稲田の連覇を阻止し、番狂わせを起こしたいと全員が熱い気持ちを心に灯し、厳しい練習に臨みました。スタートで勢い良く出ることや1000メートルをR40オーバーのオールスパートで漕ぎ切ること、終始8人全員で統一した漕ぎを継続することを徹底し、数多の隅田練を経て本番を迎えましたが、本番では序盤からの差を詰めきれず、結果は敗北です。応援して下さった皆様方のご期待に沿えなかったこと、お詫び申し上げます。
そして、我々の今まで積み重ねて参りました努力や順調であると信じていた練習が、最終的に実を結ばなかったことが何より無念でなりませんでした。
早慶レガッタは、3ヶ月弱に及ぶ長い準備期間や隅田川の持つ特有の雰囲気、先輩方の紡いでこられた長い歴史といい、やはり全てにおいて特別に感じます。
残念ながら、その特別な舞台で伝説を創ることは叶わず、そしてボート部での生活も引退まで残り5ヶ月を切りました今、この悔しさを早慶戦で晴らすことも叶いません。
後に残すインカレや全日本で、慶応女子部が勝利を得る為にはどうすれば良いのでしょうか。
私が大事にしている教えは、ボートの試合ではスタート地点に艇をつけるまでに既に着順が決まっている、との言葉です。
偉業を成し遂げるには、徹底した準備が欠かせないのです。勝利という目標から逆算して、合宿所での毎日の生活や1回1回の練習により厳しさと拘りを持って取り組むことの必要性を今回の敗北を経て強く痛感しました。
そして同時に「どうしたら勝てるのか」と、唯一絶対の正解など存在しない問いに対し、懲りずに試行錯誤をし続けることも欠かせません。
早慶戦勝利の為に、女子部一丸となって答えを模索し続けた日々は、私にとって大切な財産です。
今後も考えることを諦めずに、今回の早慶レガッタ敗北を糧に、夏には一回りも二回りも成長した姿を皆様にお見せすることが出来れば幸いに存じます。今後とも変わらぬご指導ご鞭撻の程、どうぞ宜しくお願い致します。
萩原 沙柚子(はぎわら さゆこ)
主将
横浜国際高、慶應義塾大学法学部4年。
座右の銘は「慣れ だれ 崩れ 去れ」。