慶應義塾體育會端艇部 主将 高崎隼人
早慶戦当日、私達は想像 していた以上の緊張と不安を感じながらも、それまでの練習によって築いた確かな自信を持っていました。
去年の比ではない練習量に加え直前の練習の感触やタイム、どれを取っても思い残したこと・やり残したことがないと言えるような状態で我々は当日に臨んだと言えます。
しかしながら結果は昨年に続き対校エイト・第 2 エイ ト・女子エイト全てにおいて敗北を喫し、「慶應」という チームの負けをまざまざと見せつけられました。
敗北の直後、情けないことながら私はハッキリと負けた原因を断言することが出来ませんでした。なぜ負けた のか、何が足りなかったのか、何が間違っていたのか。 冷静でなかったということもありますが、何より自分と 仲間のやってきたことに深い信頼を寄せていたからです。 そして今だから思うことは、「何かが間違っていたのでは なく、何もかもが足りていなかった」ということです。
当初インタビューで負けた理由を「負けん気・根性」などという言葉で片付けた私ですが、艇速で負けていた事実をそのような曖昧なものに押し付けてしまったことを深く反省しています。
速さで負けたのなら、改善するのは速さです。そのため現在我々は、日々の練習から貪欲にタイムを狙って取り組んでおります。
行き当たりばったりだった練習に具体的で段階的なタ イム目標・技術目標を設定し、並べ練習の徹底を行うことで勝負勘を育み、定期的なクルーリーダーミーティン グで各クルーの意識・漕ぎのすり合わせを行い、小澤監督・田辺コーチを中心としたコーチの皆様の監修のもと 「大きく、長く、強く」を徹底した漕ぎを全クルーで統 一し1 人の漏れもなく全部員の実力の底上げを実施しております。
現在我々が目指しているのは 9 月 6 日から 9 日にかけて戸田で行われる全日本大学選手権大会。そして 6 月 23 日・24 日に同じく戸田で行われる東日本選手権競漕大会を、9 月に最高のパフォーマンスを披露するための最初 のステップとしての大会と設定いたしました。
慶應義塾は決して諦めません。どんな障害があろうとも打破し、改善し、着実な歩みを進める所存です。
最後となりましたが、第 87 回早慶レガッタの開催にあたりまして、多大なる御尽力を頂きました全ての関係者の皆様に今一度深く感謝の意を申し上げます。 これからも変わらぬ御指導御鞭撻の程、宜しくお願い致します。
高崎 隼人(たかさき しゅうと)
主将
慶應義塾高、慶應義塾大学商学部4年。
188cm 75kg。